矯正展貢献で表彰 和歌山刑務所が2団体に
長年刑務所のイベント「矯正展」に貢献したとして、和歌山刑務所(和歌山県和歌山市加納、鈴木礼子所長)は20日、和歌山高等美容専門学校と、和太鼓集団「和響」に感謝状を贈った。
矯正展は、同刑務所が矯正行政への理解を深めてもらおうと「社会を明るくする運動」の一環で毎年開催。受刑者が刑務作業で作った製品を展示販売するなどし、ことし30周年を迎えた。
和歌山高等美容専門学校(同市小人町、永原康男理事長)は平成21年から毎年、講師や学生たちが刑務所内の白百合美容室でチャリティーカットを実施。最近はチャリティーネイルも併せて行い、収益は犯罪被害者の救済に役立てられている。
和響(芝香里代表)は岩出市のしらゆり保育園の卒園児で平成7年に結成され、同市を拠点に活動。約15年前から矯正展で力強い演奏を披露してきた。
贈呈式は同刑務所の所長室で行われ、鈴木所長は「地域の皆さまに支えていただき、温かさを感じています。引き続きご指導お願いいたします」と感謝。
感謝状を受け取った永原理事長は「受刑者の社会復帰の後押しができれば。学生たちはボランティア活動を通じて社会とのつながりや人との接し方などを学び、大変勉強になっています」と笑顔。和響のメンバーの一人で、大阪芸術大学4回生の芝柚稀さんは「刑務所は少し怖いイメージでしたが、イベントに参加するようになって受刑者の更生に向けた活動を知り、意識も変わりました。中高生のメンバーも社会や人と人のつながりに理解を深め、貴重な経験です」と話していた。