避難民の医療支援 日赤医師らバングラ派遣
ミャンマー西部のラカイン州で暴力行為が相次ぎ、隣接するバングラデシュに避難民が急増している問題で、日赤和歌山医療センター(和歌山県和歌山市小松原通)の医師ら2人の派遣が決まり、5日に同センターで出発式が行われた。
第4班として派遣されるのは、外科部の益田充医師(42)、和歌山赤十字看護専門学校の畑下眞守美専任教師(56)。活動期間は約7週間で、2月下旬に帰国予定。益田医師は今回が初の海外派遣となり、畑下専任教師は過去10回、カンボジアやハイチなどで助産師や看護師としての活動経験がある。
2人は今回、南部コックスバザールにある難民キャンプの仮設診療所で巡回診療に当たる。同センターによると、現地では水や食料、住む場所などが不足。医療機関は逼迫(ひっぱく)した状況が続いており、避難民には妊婦も多く含まれているという。
エントランスホールで行われた出発式で、平岡眞寛院長が「衛生環境が整備されていない中、体に気を付け着実に避難民の支援をお願いしたい」と激励。益田医師は「日常診療の中で安心感を持ってもらえるような時間をつくりたい。今後を踏まえた支援が必要で、現地にも自分の中にも何かを残してくることを課題にしたい」と決意。畑下専任教師は「心や頭だけでなく体も使い、自分が培ってきた経験をしっかりと生かしてきたい」と意気込みを語り、約60人の職員に見守られながら出発した。