世界の翼は和歌山の翼 B787型機の生産に貢献

 ボーイング社の最新型旅客機、 B787型機をご存知の方も多いだろう。 同機は昨年9月、 世界で初めて全日空に納入され、 昨年11月から羽田―広島線、 羽田―岡山線に就航。 1月23日からは羽田―伊丹線、 羽田―山口宇部線に就航する。

 B787型機は座席数210~250席と250~290席の2タイプがあり、 航続距離は最長1万5千キロメートルという。 大型ジェット機並みの航続距離を実現し、 現行の同型機に比べ約2割燃費を向上。 低燃費で環境にやさしい旅客機だ。

 それを可能にしているのが、 機体構造の半数に使われている炭素繊維複合材だ。 主に機体の主翼などに採用され軽量化に貢献している。

 この炭素繊維複合材の生産に用いられる、 多官能エポキシ樹脂を、 国内で唯一受託製造する企業が和歌山にある。 和歌山市小雑賀の化学品メーカー、 小西化学工業㈱だ。 同社のウェブサイトでは 「B787との関わり」 という特設ページが開設されている。

 世界の翼を支える企業が、 身近な場所で活躍されることも、 和歌山の魅力であると感じた。
(次田尚弘/広島・岸村敏充/大阪)