経験に基づく声続々 がん患者会ら対策条例で意見交換

 県内のがん患者会などで構成する 「県がん患者支援協議会」 (岡本久子会長) は22日、 和歌山ビッグ愛 (和歌山市手平) で会合を開き、現在県議会で制定に向けて会議を進めている 「がん対策推進条例」 について意見を出し合った。

 昨年12月に、 県議会発議の条例制定に向け、 超党派の 「がん対策推進に係る条例検討会」 が発足。条例にがん患者の思いを反映してもらおうと、 会合を開いた。

 この日、 同協議会に所属する、 がん患者サロンの代表者や医療関係者約20人が出席。 傍聴者も10人ほど訪れた。

 出席者には、 他県の条例の条項を組み合わせた仮の条例案を配布。 その条例案について意見を交わした。 前立腺がんを患ったことがある男性からは 「体の調子が悪くならなければ人間ドックに行かず、 がんが発見できない。 早期発見や予防のためにも、 人間ドックの受診を積極的に受けられるような内容を入れてほしい」、 手術により人工肛門となった男性からは、 「災害時の人工肛門の手配など対応を盛り込んでほしい」 といった、 参加者それぞれの経験に基づいた意見が積極的に出された。

 出された意見は、2月定例会の同検討会の条例に関する勉強会で、 同協議会に参加する長坂隆司議員から提出される。

 県によると、 県の肺がんの死亡率 (10万人当たり) は平成17年から5年連続で全国ワースト1位。他の部位のがんの死亡率も全国水準より高い傾向という。

 県議会の条例案検討会では、 8月にパブリックコメント、 12月に議会提出を予定しており、 25年4月施行を目指している。