成長加速に1509億円 和歌山市18年度予算案

 和歌山県の和歌山市は16日、2018年度当初予算案を発表した。一般会計は1509億9980万2000円(前年度比3・3%増)、特別会計、公営企業会計を合わせて2905億5990万4000円(同3・4%減)となった。一般会計の歳入では、景気回復に伴う市民税と制度見直しによる地方消費税交付金の伸びを見込んでいるが、地方交付税が減少し、一般財源の総額は微減になる見込み。

 市は「未来に向けた成長を加速させる予算」と位置付けている。15年に策定した「市まち・ひと・しごと創生総合戦略」が折り返しの時期を迎え、昨年3月に「第5次市長期総合計画」を策定したことで、動き出したまちの成長を加速させ、将来のために必要な取り組みをさらに推進させる予算としている。

 新規事業は39件だが、一部または全体が国県支出金で賄われている事業が30件あり、市単独の新規事業は少ない。継続事業では公立認定こども園や、加太の青少年国際交流センター、東松江の動物愛護センターなどの教育福祉関連施設の建設工事が本格的に始動する。

 一般会計歳入

 自主財源が47・1%を占め、市税は前年度比2108万円減の578億907万円。

 個人市民税が増える一方、固定資産税は設備投資の勢いが弱まるのに伴い減少する見込み。地方交付税は2億3900万円(2・3%)増の108億900万円となっている。
 市債は35億1890万円(25・4%)増の173億6640万円。施設整備に伴う建設事業債が34億円増となったことなどが要因。

 一般会計歳入

 義務的経費は前年度比3億9000万円(0・4%)減の863億100万円。このうち、人件費は退職者の減少に伴い退職金が減ったことから254億3465万円で7億3613万円(2・8%)減。扶助費は4億4096万円(1・0%)減の448億3390万円で、障害福祉関連と児童福祉関連費用が4・1億円増の一方、ジェネリック医薬品の利用や在宅医療の増加で医療扶助費が抑えられ、生活保護扶助費が8・3億円減となった。

 投資的経費は172億2319万円で47億6698万円(38・3%)増。本町・芦原の認定こども園の整備費用に8億6201万円、青少年国際交流センターの整備費用に12億6355万円を計上するなど、子育てや教育福祉施設の整備が本格的に始まる。また、学校のブロック塀など公共施設の地震対策と広域防災活動拠点整備などに8億8000万円となっている。

主な新規事業

 【安定した雇用を生み出す産業が元気なまち】和歌山城内整備(548万円)▽天守閣再建60周年事業(564万円)▽アマルフィ市との交流推進(807万円)▽和歌の浦街なみ環境整備計画の策定(842万円)▽東京大学加太分室の設置(1800万円)
 
 【住みたいと選ばれる魅力あふれるまち】新市民図書館の書架等の設置(2892万円)▽駐車場、遊休不動産動向調査(780万円)▽自転車活用の推進(75万円)

 【子供たちがいきいきと育つまち】子供の生活に関する実態調査(275万円)▽いじめ等の相談体制を調査研究(967万円)▽「親としての学び」支援のための学習プログラム開発(113万円)

 【誰もが安心して住み続けられる持続可能なまち】基幹相談支援センターの設置(1800万円)▽バスロケーションシステム導入補助(1333万円)▽洪水ハザードマップの作成(2021万円)▽広域防災活動拠点の整備(6145万円)▽狭あい道路の拡幅整備(300万円)