たった一度でも「乱用」 薬物防止トーク
若者へ薬物乱用防止を呼び掛けるイベント(和歌山ゴールドライオンズクラブ主催)が11日、和歌山県和歌山市中のライブハウス「シェルター」で開かれた。
音楽ライブの合間に行われたトークセッションには、同クラブメンバーの司会進行のもと、県立医科大学神経精神科の山本眞弘助教、薬物依存者の立ち直りを支える和歌山ダルクの島田ゆか代表、イベント発起人の有本十斗さんら5人が参加。「たった一度でも薬物を使えば『乱用』。絶対に手を出してはダメ」と訴えた。
和歌山刑務所で薬物依存症の受刑者と接することも多い山本助教は、和歌山は、覚醒剤や麻薬などの薬物乱用の犯罪率が全国的に見ても高いとし「手を出すのは簡単だが、やめるのに苦労するのが薬物」と指摘した。
薬物を断つためのプロセスとしては、島田代表が薬に頼らない新たな解決策を見つけ、生き方を変えていくプログラムに取り組んでいることを説明。「『誰かのために何かができないか』という思考を目指し、実践を重ねる中で、次第に薬が必要でなくなる」と立ち直りまでの課程を紹介した。
山本助教は「若い頃から人生に息苦しさを感じて手を染める人が多い。若い世代で、困ったときにみんなで助け合える社会が実現すれば薬物乱用者も減るはず」と話した。
ライブには、活動に賛同した地元アーティストらが出演。
『薬物はやめろ』をはじめ、メッセージ性のある楽曲で知られる人気ヒップホップアーティストの「SHO」も東京から駆け付け、音楽を通じて若者に啓発した。