価格下がる見通し立たず 野菜どころも高騰

 昨秋から続く野菜の価格高騰が全国的に止まらない。農業が盛んな〝野菜どころ〟和歌山県紀の川市の産直施設やスーパーでも下がる見通しはまだなく、家計に痛手の状況が続いている。

 昨年10月の台風による被害や年明け以降の冷え込みなどの影響で、野菜の収穫量が全国的に落ちている。

 同市豊田のJA紀の里ファーマーズマーケットめっけもん広場によると、ハクサイの場合、例年は年末年始にかけて価格のピークを迎え、出荷の最盛期となる1~2月には価格が下がってくるが、今シーズンは地元農家からの出荷量が少なく、価格が下がる見通しは立っていない。例年は1玉180円~200円程度なのに対し、現在は約400円。客からは「いつまで高いの?」と聞かれることが多いが、明確に答えることができず、苦慮しているという。

 同市下井阪のオークワオーストリート紀の川井阪店では、ハクサイやキャベツ、ダイコンなどの価格が高止まりとなっている一方で、1袋200円前後のカット野菜の売れ行きが好調という。

 野菜コーナー担当のスタッフによると、鍋料理や焼きそば、野菜炒めなど用途ごとに袋詰めされたカット野菜は、ビニールハウスで生産されたものが多く、天候の影響を受けにくいため、価格の上昇幅が小さい。「値段が安定している上、使いやすい量になっていて余ることが少ないので、人気は高まっています」。

 鍋料理でハクサイをよく使うという女性客(61)は「ずっと高くて困っていますが、我慢して買っています。早く値段が下がってほしい」と話していた。

野菜の値段はいつ下がる?(めっけもん広場)

野菜の値段はいつ下がる?(めっけもん広場)