高齢者の徘徊に似顔絵ベスト みの印章堂
印鑑販売の㈲みの印章堂(和歌山県和歌山市東長町)が今月から、オリジナル似顔絵入りベストの販売を始めた。認知症の高齢者が徘徊(はいかい)した際に見つけやすいよう似顔絵と連絡先が入れられる。同社代表取締役の箕尾光芳さん(60)の両親の介護経験をもとに考案した新商品で、同社は「おじいちゃんやおばあちゃんの誕生日や、介護で頑張っている家族にプレゼントしてみませんか」とPRしている。
同社は印鑑や印章の他、得意の似顔絵やイラスト作成の技術を生かした商品を販売している。
箕尾さんは、間もなく90歳を迎える母が目を離したすきに一人で夜間にいなくなり、警察に連絡したり家族総出で近所を捜し回ったりした経験が何度もあった。幸い近所の人が見つけ事なきを得たが、「うちの似顔絵を生かして介護に役立つ商品が作れないか」と2年かけて商品開発した。
ベストはゆったりとした作りになっており、服の上から簡単に脱ぎ着できる。黄色とオレンジ色の2色で、車のライトが当たると目立つ反射素材を使っている。背面と胸元にはその人の趣味や好きなものと一緒にユーモラスな表情の似顔絵をプリント。電話番号や言葉も入れられる。
価格は1万6500円からで、インターネット(「マクアケ似顔絵ベスト」で検索)で注文を受け付けている。本人の写真を見ながらスタッフがイラストを作成し、10日ほどで完成するという。
淺井隆一常務取締役は「介護で大変な方を少しでも笑顔にできれば」と話している。問い合わせは同社(℡073・423・0447)。