古民家活用でベスト8 建築甲子園で和工生
全国的に増加する空き家の活用や再生について高校生がアイデアを競う第8回「建築甲子園」で、和歌山工業高校(和歌山県和歌山市西浜、田村光穂校長)の2年生6人の作品「温故知新なまち創り~明鏡止水な屋敷~」が応募153作品の中から、3年連続となるベスト8入賞を果たし、まちづくり委員長特別賞を受賞した。
日本建築士会連合会と都道府県建築士会が主催。昨年に引き続き「地域のくらし―空き家を活かす」をテーマに、社会問題として深刻化する空き家の有効活用が取り上げられ、図面や説明がデザインされたA1判のパネル作品によって競われた。
入賞作品を制作したのは古久保裕樹君、東皇佑君、鍵野真吾君、岩橋夏花さん、奥田リナさん、竹原凛花さんの6人。海南市黒江でかつて漆器職人が暮らした古民家を活用し、市の歴史や魅力を伝えるための3棟で構成するゲストハウスを提案した。
作品は宿泊者用のゲストハウスと管理者用のシェアハウスで構成。空き家の点在する同地区で居住を考える利用者の中核としての活用を見込んでデザインした。建物の大きな特徴は、かつて漆器運搬に使われた水運をイメージして室内から中庭までつながった水辺が設置されており、人や建物を鏡のように映し出す造りとなっている。
表彰式は同校で行われ、県建築士会の池内茂雄会長からメンバーに表彰状が贈られた。
リーダーの古久保君(17)は「設計の段階でそれぞれの意見をまとめることに苦労しましたが、コンペに提出するのはお客さまの要望に応えることと同じ。将来建築家になるためのいい職業体験ができました」と話していた。