正しい飼育法学び共存を 子犬・猫ケア講座
和歌山県動物愛護センター(紀美野町国木原、中山隆史所長)は18日、セミナー「幼齢動物(犬・猫)のケアと疾患」を開き、約40人が獣医師による動物の健康に関する解説に熱心に耳を傾け、適正な飼育方法について理解を深めた。
犬や猫の幼齢期に気を付けたい病気や健康維持に必要なケアについて、飼い主が知識を深め、引き取りや処分数を減少させることが目的で開催した。
やぐら動物病院(橋本市)の矢倉守巳男院長(56)が講師を務め、母のいない子犬・子猫に必要な看護や幼齢動物に多い疾患と予防法などについて解説。
人工哺乳については、必ず犬・猫用のミルクを使用し、熱すぎない温度で与えること、疾病予防については生後半年までの不妊・去勢手術が有効であることなどを話し、「去勢さえしておけば、こんな病気で苦しませずに済むのに、と思うことがあります」と強調した。
受講した岩出市西国分の原田静子さんは「17年間、家族の一員だった猫を病気で亡くしました。飼育法を学んで、次に迎える猫は、元気に長生きさせたいです」と話していた。
県内で保健所などに収容された子犬・子猫の数は、和歌山市を除いて、2017年度が12月末現在で子犬35匹、子猫1080匹。県は処分数ゼロを目指す取り組みを強化しており、収容された授乳期の子犬や子猫が離乳するまで世話をし、同センターに戻す「ミルクボランティア」の活動を始め、現在約40人が登録している。
中山所長(59)は「処分数はまだ相当数あるのが現状だが、ゼロに向けて、1匹1匹への地道な取り組みを続けていきたい」と話していた。