打の智弁VS投の創成館 1日に4強懸け激突
3月30日の3回戦で国学院栃木を下し、7年ぶりのベスト8に進出した智弁和歌山。打線は毎回の14安打と調子を上げ、今大会初登板のエース平田が完投した。4強を懸けた1日の準々決勝第2試合では、ここまで接戦を勝ち抜いてきた創成館(長崎)と顔を合わせる。髙嶋仁監督は「ベストを尽くしてやる」と意気込みを語った。
沈み気味だった打線が息を吹き返しつつある。3回戦では1番の神先が3塁打を含む4安打と大暴れ。打線に勢いをもたらすと、初戦5打数無安打の3番林に待望の初安打が飛び出し、試合は智弁のペースで運んだ。「上位が出て林がかえす。智弁が波に乗るいいパターンが出た」。甲子園最多勝利記録を「66」に伸ばした名将も目を細めた。
体調不良で初戦の登板を回避した平田も起用に応えた。終盤に攻め込まれるシーンが見受けられ、完全復活とまではいかないが、エースの意地で完投。初戦先発の小堀、好援投の池田も甲子園の舞台でさらに自信を深め、課題の投手力は十分な戦力が整った。
対する創成館は昨秋の九州大会を制し、明治神宮大会でも並み居る強豪校を破って準優勝。最大の武器は甲子園でも際立っている投手層の厚さだ。エースナンバーを背負う川原は初戦の下関国際(山口)戦に先発し、キレのある球で6回1失点。2番手・伊藤は3回無失点で切り抜けた。延長にもつれ込んだ3回戦の智弁学園(奈良)戦では、3月に入って選手登録された右腕・酒井が4回から9回までを1安打無失点の好投。先発の七俵、3番手・川原の3投手が継投した。
タイプの異なる複数の好投手を擁する創成館が相手だけに、打撃戦に持ち込むのは難しいと考えられる。だが、国学院栃木戦の序盤で試合の流れを引き込んだように、要となる林が引き金になれれば打線は勢い付く。苦しい戦況となった場合、投手陣と捕手の東妻が辛抱強く耐えしのげるかも鍵。主将の文元は「打線は良い傾向も出ている。相手投手をよく研究したい」と意欲を見せた。
「打の智弁」対「投の創成館」。準々決勝屈指の見応えある試合になりそうだ。