県が宝塚医療大の誘致検討 20年4月目指し

 和歌山県は、学校法人「平成医療学園」が運営する宝塚医療大学(兵庫県宝塚市)の誘致を検討し、和歌山市の中心部に2020年4月の開学を目指して準備を進めている。理学療法士と作業療法士などのリハビリ専門職を養成する学部を設けることで大学側と協議している。

 県医務課によると、医療系大学の誘致をさらに展開することで高校生の県外進学を食い止める狙い。県内にあるリハビリ専門職の養成校は、理学療法士を養成する専門学校「和歌山国際厚生学院」(和歌山市北野)のみで、1学年の定員は40人。県では年間に約150人が県外の養成校へ進学しているのが現状で、同課は「高齢化に伴い、需要は高まっている。県外への流出を防ぎ、人材を確保したい」と話している。

 同大学は新たな学部を設ける意向を示しており、担当者は「県、市と協議を重ね、前向きに検討したい」と説明。19年に南海和歌山市駅前へ移転する市民図書館跡地などが候補地に挙がり、定員は1学年100人程度を予定している。

 誘致が実現すれば、市内中心部で4大学目となる。4月には東京医療保健大学和歌山看護学部が開校し、来年4月には保育士や幼稚園・小学校教員らを養成する(仮称)和歌山信愛大学教育学部、21年4月には県立医科大学薬学部が開学する予定。

 仁坂吉伸知事は15日の定例会見で、宝塚医療大学は誘致の有力候補であると説明し、「大学誘致のために県の助成は相場を決めているが、条件の下に誠心誠意、来てもらえるように努力したい」と話した。

 また国際厚生学院は、卒業時に学士(専門職)の学位が与えられる専門職大学として、市内中心部に新たな学校の設置を検討している。

 専門職大学になった場合、定員は1学年80人程度。理学療法士と作業療法士を養成する課程を設け、20年4月の開学を予定。同校では設置に向けて文部科学省への手続き準備に取り掛かっており、担当者は「設置が決定した場合は国際厚生学院の歴史を引き継ぎながら大学に移行したい」と話している。

設置候補地に挙がっている和歌山市民図書館

設置候補地に挙がっている和歌山市民図書館