台湾の高校生29人が農家民泊 紀美野で体験
日本の高校に当たる台湾の新竹県立湖口高級中学の生徒29人(男子10人、女子19人)が22日、和歌山県紀美野町を教育旅行で訪れ、ホストファミリー宅で一夜の民泊を体験し、町民と交流を深めた。3年前から町美里支所まちづくり課が紀美野民泊協議会(赤阪恵子会長)と協働で行っている取り組みで実現し、10件目となった。
「紀美野町民泊体験教育旅行」として進めている事業で、県内の児童・生徒の他、インバウンドを対象に、農家での作業や食事作りなどを共に行い、心の交流を目指している。
同高級中学の一行は21日に台湾から関西国際空港に到着し、奈良・京都を観光した後、紀美野町へ入った。今回は7軒の民泊施設に宿泊し、生徒との対面式が美里支所で行われた。赤阪会長が歓迎し、「生活様式などで分からないことは何でも聞いてください」、同校の孫継宏学務主任(44)は「私が初めて来たのも高校生の頃でした。皆さんも友好を深めてください」と呼び掛けた。
女子生徒4人を受け入れた大角の「農家民泊 桜庵」(記田佳和代表)では、施設内の広場で釜に火をくべて米を炊いたり、焼き鳥や焼きそばを作ったりして交流。会話は、ジェスチャーを交え、スマートフォンの翻訳機能を用いるなどしてコミュニケーションを取った。
翌朝、美里支所でお別れ式があり、生徒らは「とても快適で、仏壇のお参りなどもして日本らしさを感じました。お父さんが関西的で面白かったです」などと笑顔で話しながらも、ホストファミリーとの別れを惜しんでいた。
記田代表(54)は「お客さんに接するような特別な対応よりも、自然体で受け入れる方が喜ばれるようですね」と話していた。
一行はその後、海南高校との交流、大阪市内でユニバーサルスタジオ・ジャパンや大阪城公園などの観光を行い、25日に帰路に着く予定。