軟らかでもシャキシャキ 山東のメンマ試食
放置され、繁殖を続ける竹林の対策として、地元の竹を使ったメンマ作りに取り組む和歌山県和歌山市山東地区を中心とする有志グループ「(通称)若竹プロジェクト」は5月30日、メンマの試食会を行った。
同グループでは昨年、1・5~2㍍の若い竹(幼竹)を収穫し、ゆでた後に塩漬けにして保存する工程を実施。しかし、保存環境や塩分の調整がうまくいかず半分が腐ってしまったという。メンマ作りに取り組む福岡県糸島市や長野県飯田市とともに京都で開かれた「純国産メンマプロジェクト」に参加し、全国に先駆けて国産メンマを製造販売している糸島市からメンマ作りのノウハウを学んだ。
ことしは糸島市に習った塩加減や漬け方を実践。5月初旬に20㌔の幼竹を収穫し、皮をむいてゆで、漬け樽で1カ月塩漬けにした。今回は塩抜きしたメンマを冷やし坦々麺、春巻き、キムチ、金山寺みそあえなど6品に調理。
メンバーからは「シャキシャキしておいしい」「普段食べるメンマと違いにおいがしない」と好評。竹林の所有者である田村絹代さん(86)も「いつも食べるメンマと感じが違う。独特のにおいもしないし軟らかい。いつも切って捨てていた竹がこんな料理になるとは」と驚いていた。
代表の島英雄さん(60)は「昨年からいろいろ分かってきたこともあり、少しずつ品質も良くなってきた。ちょっと出遅れたところもあるが、今後も食の専門家などと協力して事業化を進めたい」と話していた。