まちづくり人材を育成 紀の川市フルーツ塾

 フルーツを中心に和歌山県紀の川市の地域資源を学び、まちづくりの推進を目指す人材育成塾「フルーツ・ライフ・スクール」が2日、市役所で開講した。初回は25人の参加者が自己紹介し合い、副塾長の林信良副市長が市の現状や取り組みについて講義した。

 市観光振興課によると、定員22人を上回る25人が受講し、来年2月まで全12回にわたって学ぶ。受講者は高校生3人を含む10代から70代までの幅広い年齢層で、農業経験者も参加。3分の1ほどは岩出市や和歌山市など市外からの申し込みとなった。

 自己紹介では、受講者は自分のキャッチフレーズを記入したボードを作成し、塾への参加動機を説明。高校生からは、授業のフィールドワークで農業に関心を持ったことや、将来は農業関係の仕事を希望していることなどが語られ、農家の参加者と栽培している品種などについて語り合う場面も見られた。

 林副市長の講義では、就農希望者の受け入れ体制整備や海外へのフルーツの販路開拓など市の取り組みを紹介し、「塾を通して感じたことをフルーツのまちづくりに生かしてほしい」と呼び掛けた。

 ツーリズムやまちづくりを研究している和歌山大学大学院修士課程2年の浜端佑記さん(23)は「いろんなまちづくりの活動をしている人の意見を聴き、これまでと違う視点からまちづくりを考えることができるのではと思っています」と期待していた。

 塾では今後、フルーツツーリズムや農業の6次産業化、市の歴史・文化などをテーマとする専門家による講義、地域資源の見学、受講者同士の討論などを予定している。

キャッチフレーズを書いたボードを示して自己紹介する受講者

キャッチフレーズを書いたボードを示して自己紹介する受講者