差額返還拒否は不当 市議が出張費で提訴

 和歌山市議が行政視察で鉄道を利用する際、自由席や指定席を使ってもグリーン車料金が一律に支給され、差額の返還が認められないのは不当だとし、林隆一市議(日本維新の会県総支部代表代行)は26日、差額の返還を請求するよう尾花正啓市長に求める住民訴訟を和歌山地裁に起こした。

 市役所で記者会見した林市議によると、林市議と同じ維新会派の山野麻衣子市議の2人は2017年10月27日、岐阜県大垣市への行政視察の際、グリーン車に乗らないことを事前に申告し、指定席を利用したが、市はグリーン車料金を支給。差額各6500円を返還しようとしたが、公職選挙法が禁じる寄付行為に当たるとして認められなかった。

 市の対応について林市議は、市職員等旅費支給条例の「(市長は)過払金があった場合には、所定の期間内に当該過払金を返納させなければならない」との規定に違反すると主張している。

 林市議は今月15日の市議会一般質問で、グリーン車料金の一律支給を見直す条例改正を求め、尾花市長は「移動による疲労を軽減することを第一義に支給しているもので、現行の定額支給を継続していきたい」と答弁している。

 会見で林市議は「4度にわたる一般質問で問題を提起してきたが、現行支給を継続するとの回答しか得られなかったので、訴訟に及んだ」と話した。