南紀白浜空港民営化へ 事業者と県が契約

 南紀白浜空港の運営民営化事業で、和歌山県は25日、㈱南紀白浜エアポート(白浜町)と実施契約書を締結した。県庁知事室で締結式が行われ、仁坂吉伸知事と同社の岡田信一郎代表取締役社長が契約書にサインした。来年4月に民営化を開始する。

 同社は、空港民間活力導入事業の実施のため、県と基本協定を締結した東京のコンサルティング会社「経営共創基盤」などで構成するコンソーシアムが設立した。

 実施計画では、旅客数を現状の年間13万人から、10年後に25万人、20年後に30万人とする目標を設定。成田線の新規就航による誘客を目指す他、国際線ターミナルの新設、一日に3往復運行している羽田線の機材大型化、近隣のアジアやロシアなどからのチャーター便、ビジネスジェットの誘致などが盛り込まれている。県の負担額は10年間で24億5000万円となり、現在の運営より約6億円の負担減が見込める。

 締結式には仁坂知事、岡田社長の他、井澗誠白浜町長が出席。仁坂知事は「和歌山に南紀白浜空港がある意味は大きい。立派な活力ある空港になるよう期待している」と述べた。

 岡田社長は今後の展望として、東京や大阪行きの高速バスに空港を経由させる構想などを説明。「大きな責任とチャレンジに身が引き締まる思い。20年間しっかり腰を据え、まずは紀南地方を活性化させたい。地元の方や車で来る観光客が使えるにぎわい拠点にしたい」と話した。

実施契約書を手にする仁坂知事㊨と岡田社長㊥、井澗白浜町長

実施契約書を手にする仁坂知事㊨と岡田社長㊥、井澗白浜町長