使い終えた筆に感謝して 和歌浦天満宮で供養祭
和歌山県和歌山市和歌浦西の和歌浦天満宮(小板政男宮司)で恒例の「筆供養祭」が行われた。参加した県書道教育連盟(安原敬悦理事長)の関係者ら15人は、使い終えた筆などをたき上げ、供養と感謝の祈りを捧げた。
漢学に長け、秀才といわれた平安時代の貴族、菅原道真公を祭っていることから、同寺で約30年にわたり行われている神事。
小板宮司は筆塚を前に、市民らが納めた使用済みの毛筆の筆などを火にくべてたき上げ、参加者らは順に玉串を捧げた。
供養祭は、筆の柄が竹などの木材、穂先は動物の毛などでできていることから、動植物への供養や製作する職人への感謝、文字や学問の上達の願いなどが込められている。
安原理事長(83)は「書道は、一本一本の線がいかに生きているかが大切。使った筆の供養がことしも無事終わり、何より」、小板宮司は「書道愛好家の方からたくさんの筆が寄せられいる。少しずつたき上げをしていきたい」と話していた。