麻生津の活性化を応援 山崎パンと覚書調印

 過疎集落を元気にする企業の応援活動を推進する県の「企業のふるさと」事業で、パン業界大手の山崎製パン㈱と紀の川市、活動地域の同市麻生津地区、和歌山県は20日、市役所で覚書に調印した。同社は耕作放棄地の再生や伝統行事の保存・継承などを支援していく。

 企業のふるさとは県が2009年度に始め、同社の取り組みが第4弾となる。

 同社の大阪第二工場(松原市)、阪南工場(羽曳野市)、大阪第二工場泉佐野事業所(泉佐野市)の社員らが、人口減少や高齢化が進む麻生津地区の活性化に向け、草刈りや整地作業の手伝いなどによる耕作放棄地の再生、同地区で生産された農産物の社内販売、空き家の改修・整備などの活動に取り組む。期間は20年度末までだが、延長の可能性もある。

 覚書の調印に先立ち、8月11日には同地区の盆踊りに社員約20人が参加し、来場者用駐車場の草刈りやちょうちんの飾り付けなどを手伝い、すでに活動はスタートしている。

 調印式には、同社の仮屋新二郎大阪第二工場長、麻生津区長協議会の丹生眞砂彦会長、麻生津の将来を考える会の岡豊章代表、中村愼司市長、土井安児県那賀振興局長が出席し、覚書に署名した。

 中村市長は「取り組みを通じて地域の活性化につなげていただきたい」と期待し、仮屋工場長は「工場には和歌山出身の社員も多く、強い縁を感じる。3工場・事業所が力を合わせて麻生津を盛り上げていきたい」と意気込みを話した。

 丹生会長は「過疎化と住民の高齢化により、地域の行事に参加してくれる若い人が少なくなっている」と地区の状況を説明。「社員の方が盆踊りに来てくれて住民が刺激を受けた。ぜひ長いお付き合いをお願いしたい」と話していた。

覚書に調印した(左から)土井局長、丹生会長、仮屋工場長、岡代表、中村市長

覚書に調印した(左から)土井局長、丹生会長、仮屋工場長、岡代表、中村市長