身近な自然や営み 武友さんパステル画展

 和歌山県和歌山市新堀東の武友正修さん(78)のパステル画展「自然と営みへのオマージュ」が10月1日まで、同市の県民文化会館特設展示室で開かれている。

 個展は4年ぶり2度目。武友さんは広告の企画・制作事務所を同市で立ち上げ、45年間地方広告に携わった。11年前から独学で絵画を描くようになり、題材にするのは製材所や山間部の集落など、何気ない身近な風景。武友さんは「里山にある小屋など、あまり目立たないものに美しさを感じます」とにこやかに話す。

 会場には和歌川の水辺に映える工場、キャベツの収穫風景、ちょうちんと洋傘店の軒先、井戸の水くみをする人など、日々の生活で出合った風景や人々を描いた52点を展示している。

 描く上で大切にしているのは「生活感と透明感」。用水路脇のさびたガードレールも省かず画面に入れ、「不思議と神々しさを感じた」という神社の納屋は、パステルならではの柔らかな色彩で、ふんわりと温かい光で包むように表現している。

 「仕事をしていた頃から、中央(東京)と同じレベルで、地方のメッセージを届けたいとの思いでやってきました。田舎で描こうと海外で描こうと、変わりはありません。絵になる和歌山の身近な景色を楽しんでもらいたいです」と話している。

 午前9時から午後5時(最終日のみ4時)まで。

優しい色彩の作品と武友さん

優しい色彩の作品と武友さん