県とベトナム商工省が覚書 産業分野で連携
和歌山県は8日、日本の自治体として初めてベトナム商工省と産業分野に関する覚書を締結した。機械製造や金属加工、情報通信など多岐にわたり、相互の企業間交流や貿易振興、人材育成で連携、協力していく。仁坂吉伸知事が首相官邸を訪れ、チャン・トゥアン・アイン商工大臣と共に覚書に署名を交わした。
県はこれまでにも7カ国・地域の中央省庁との間で覚書を結び、経済交流を推進。ベトナムとは2015年に仁坂知事や県内事業者8社がハノイを訪問し、農業農村開発省との間で「相互協力に関する覚書」を締結した。農業・食品分野の連携事業を展開し、食品加工ミッションとしてホーチミン市で県産品プロモーションなどを実施。同省森林局幹部や地方政府の森林行政政策担当者ら12人が来県し、世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」などを視察した。
ことし8月には県職員が経済交流に関する意見交換のために同国商工省を訪問。貿易や産業振興で日本との協力を求める同省と商工業分野で経済交流の活性化を図りたい県のニーズが一致し、今回の締結に至った。
覚書では、互いの貿易や産業振興での協力関係を発展、促進させることを目的に、さまざまな産業分野を対象として企業間交流や人材育成で連携することに合意。それぞれで担当部署を任命し、定期的な意見交換を行う体制を整える。またビジネスセミナーの開催やIT人材の育成、企業間マッチング、商談支援などを行い、経済交流の活性化を図る。
覚書の署名は、日越外交関係樹立45周年記念の一環として、両国の安倍晋三首相、グエン・スアン・フック首相の立ち会いの下で行われた。仁坂知事は「互いにニーズを交換し、情報通信分野では優秀な人材を育成したい」と話していた。