不安の備えに存在感 朝日生命木村社長語る

 人生100年時代。生きていく上での不安に対する備えとして、独自性や存在感を発揮していきたい――。そう語るのは和歌山県和歌山市出身で、創業130年を迎えた朝日生命保険相互会社の木村博紀社長(56)。10日、和歌山新報社を訪れ、保険商品の動向や和歌山の魅力を語った。

 日本国内の総人口は減少に転じたが、寿命がはさらに延びる傾向で、長生きへの備えがうたわれる昨今。人生100年時代の到来や健康増進意識の高まりといった環境の変化を踏まえ、かつては死亡保障がメインだった保険商品も、医療保障、介護保障を充実させる展開が一層本格化している。

 近年では、自社で独自の基準を求めるのではなく、公的介護保険制度に連動した「あんしん介護」を発売し、シンプルなコンセプトが好評を得ている。2016年には介護保険の新契約件数で業界1位を達成した。

 長寿化に関してみると、病気や介護のリスクに備える保障がますます求められる。その一方、一人ひとりのライフスタイルやニーズは多様化しており、同社ではコンサルティングを実施し、必要となる保障内容を細かく把握している。

 自社の働き方改革にも積極的だ。ワークライフバランスを推進し、長時間労働を改善。休暇取得の促進や夜間、休日の端末利用を制限する他、水曜日の定時退社運動を実施する。社内ではプロジェクトもスタートさせ、「従業員が仕事と家庭の両立を一層推進し、情熱を持って働ける会社にしたい」と展望を語る。

 県立桐蔭高校卒業後に和歌山を離れ、38年がたった。年に数回帰省するという木村社長は「観光資源が豊富で風光明媚(めいび)な自然環境が良い」と故郷の魅力にふれ、さらに全国に名をはせる和歌山の梅干しを絶賛。「食卓には欠かせない。和歌山以外の梅干しは買うこともないくらい」と郷土が誇る産品に胸を張る。

保険の動向や魅力を語る木村社長

保険の動向や魅力を語る木村社長