「まずはリデュースを」 3R・資源循環セミナー

 ごみを抑え、持続できる循環型社会を目指そうと「3R・資源循環セミナーin和歌山」(県など主催)が6日、県勤労福祉会館(和歌山市北出島)で初めて開かれ、一般や行政関係者ら約150人が参加した。テーマは「3R・循環型社会と県民・事業者・行政の役割」。県内外の団体や企業がユニークな取り組みを発表した。

 市民と行政、民間企業の資源循環の取り組みのコーディネートなどを手掛ける「ダイナックス都市環境研究所」(東京都港区)所長の山本耕平さんは「循環型社会における各主体の役割とパートナーシップ」と題し基調講演した。

 山本さんは循環型社会について、製品がごみにならないよう努め、循環できないものを適正に処分するものと説明した。循環型社会に向けた、ごみに関する取り組み、3Rの優先順位は「リデュース(減量・抑制)」「リユース(再使用)」「リサイクル(再生利用)」だとし、「ごみは全ての人が原因者。特にリデュースに関しては個人の意識の問題が大きい」と指摘。各自治体で、リサイクルすること自体が目的となり、多額の税金が使われている一方で、レジ袋の有料化やエコバッグ運動が足踏みしていることなど、リユースやリデュースが進んでいないことを訴えた。

 また、3Rの先進的な事例として、市場でレジ袋を完全になくし、新聞紙やバナナの皮などで食品を包むといったベトナムの取り組みや、徳島県上勝町ではごみを40種類以上に分別していることなどを紹介し、「住民や行政、民間企業が集まって、協働型の組織にし、パートナーシップを持って取り組むことが大切」と呼び掛けた。

 県循環型社会推進課によると、平成21年度の県内の一人一日当たりのごみ排出量は1025㌘(全国平均994㌘)、ごみのリサイクル率は14.4%(同20.5%)。