ミカン産出額3年連続で日本一 17年の県産
和歌山県は7日、2017年の県産ミカンの産出額が335億円で3年連続の日本一になったと発表した。生産量は少なかったが品質が良く、厳選出荷に取り組んだことで販売単価が上昇したことが実を結んだ。また、ミカンとウメの産出額が増加したことにより、果実産出額が15年ぶりの日本一に輝いた。
県はJAグループと連携し、2015年度から糖度の選別ができる光センサー選果機を利用して厳選したミカンを市場に出荷する「みかん厳選出荷促進事業」に取り組んできた。JAの取り扱いに占める厳選ミカンの割合は15年度の2%から17年度は43%と大きく上昇し、糖度の高いミカンを供給している。
産出額は市場価格から流通コストを引いた金額に生産量を掛けたもので、2位の静岡県(246億円)、3位の愛媛県(235億円)を大きく引き離しての1位で、1985年以降では過去5番目となった。
生産量は2位の愛媛県(12万300㌧)、3位の熊本県(8万5700㌧)を抑えて14万4200㌧で14年連続の1位。京浜や京浜衛星、名古屋、京阪神といった4大市場における平均単価を示した市場での販売価格は1㌔当たり304円(前年比49円増)で全国4位だった。1位は静岡県の375円、2位は山口県の332円、3位は愛知県の324円。
果実の産出額は、16年産と比べて販売単価が上昇し、購入数量が増加したことから、ミカンが27億円、ウメが84億円と全体で114億円増加し、2位の青森県を抑え15年ぶりにトップに立った。
県農業生産局の角谷博史局長は「日本一の結果は悲願で非常にうれしく思う。今後も厳選出荷の取り組みを続け、生産量と販売単価、産出額の3冠日本一達成と果実産出額日本一の堅持を目指したい」と話した。
県は今後も、糖度が高くなるよう優良品種への改植や雨を遮断するマルチ栽培などを進め、高品質生産を促進していきたいとしている。