竹本選手がフェザー級新人王 ボクシング
クラトキボクシングジム(和歌山県和歌山市園部、原田哲也会長)に所属する竹本雄利選手(22)が昨年12月、第65回全日本新人王決定戦のフェザー級で優勝し、最優秀選手賞(MVP)を獲得した。ことし3月には神戸市立体育館でフィリピン人選手、6月には和歌山市手平の和歌山ビッグウェーブで日本人選手と対戦を控え、竹本選手は「もっと強くなりたい」とさらなる飛躍を目指している。
竹本選手は和歌山市出身で身長173㌢、フェザー級(55・34~57・15㌔)の左ボクサー。日本ランキングは15位。アマチュアボクサーだった父の影響で幼い頃からボクシングに親しみ、13歳の時にクラトキジムの門をたたいた。
2017年6月にプロデビューを果たして以降、昨年9月に西日本フェザー級新人王、11月に全日本フェザー級西軍代表と最優秀選手に輝くなど、これまでに7戦5勝(3KO)1敗1分と着実に実力を発揮している。
新人王決定戦は12月23日、東京の後楽園ホールで開かれ、フェザー級5回戦で西軍代表の竹本選手は東軍代表の峯田光選手(帝拳)と対戦。1ラウンドで3度のダウンを奪うなど優勢に試合を進め、3―0の判定勝ちを収めた。
同ジムに34年間携わる原田会長は竹本選手について「寡黙なタイプで、それが強さの秘密。4戦目からスピードやタイミング、試合勘が良くなってきた。カウンターもうまく、まだまだ伸びしろは十分にある」と大きな期待を寄せる。
竹本選手の一日は早朝の6~7㌔のランニングで始まり、仕事をした後、ジムで1~2時間、ミット打ちやサンドバッグをたたいて汗を流す。計量前の1週間から10日間は5~6㌔の減量のため食事を制限する。毎日の厳しい練習については「苦しい時もあるが、強くなってやるという気持ちで乗り越えられる」と揺るぎない。最近はパンチを繰り出す際に必要な足の踏ん張りを強くするため、下半身を重点的に鍛えている。
竹本選手の心に火をつけたのはプロ2戦目での初黒星。「勝てるだろうという慢心が負けを招いた」と振り返り、「どんな相手に対しても気持ちを引き締めてやっていく。必ず勝つ」と決意を新たに。「まだまだ実力が足りていないと感じている。見に来てくれる人が盛り上がる試合ができるようなボクサーになりたい」と上を目指して意気込んでいる。