地産地消の長巻きずし18・65㍍ 80人で達成

節分の3日、力を合わせて長い巻きずしを作るイベントが和歌山県和歌山市の河北コミュニティセンターで開かれ、親子ら約80人が県産の食材を使った7種の具入りの巻きずし18・65㍍を完成させた。日本一を目指す取り組みの第1回と位置付け、今後もさらに記録に挑戦していく。

地産地消や食文化の継承、食材を大切にしてフードロスをなくす意識を高めてもらうことなどを目的に、市文化スポーツ振興財団(同センター)と、同市のインド式ヨガ(ギリ・ガネーシュ代表)が主催した。

ギリさんと、まちづくりに取り組む団体「セミナーハウス未来塾」元塾長の平井つぐじさんが講師を務め、日本デコすし協会所属の「かおり巻子」さんをコーディネーターに迎えた。中学生を含むボランティアスタッフ8人が前日から具材の調理をするなど準備にあたった。

米も具も調味料も全て県産という地産地消の取り組み。長テーブルを縦につないだ調理台にクッキングシートと焼きのりが敷かれ、参加者はスタッフからすし飯、ホウレンソウ、かんぴょう、シイタケ、玉子、高野豆腐、ニンジン、かまぼこの7種の具を順に受け取り、丁寧に並べていった。

いよいよ巻く作業では、スタッフから手の位置や動かし方の説明を受け、ゆっくりと息を合わせて巻いた。破れそうな場所を焼きのりで補強するなど、慎重に確認しながら作業を進め、ついに完成。18・65㍍の記録が発表され、巻きずしをみんなで持ち上げて喜び合った。

2017年には紀美野町で11㍍の巻きずしを作った記録があり、今回は大幅に更新。長い巻きずしの挑戦は県外でも行われているが、中身に巻きやすいソーセージを使う例や、具材の種類を少なくする場合が多い。7種類もの具が入った本格的な太巻きでの挑戦は珍しく、今回の記録を超えるものは全国にないのではないかとのこと。

完成した巻きずしは切り分け、みんなで恵方の東北東を向いてランチ。和歌山の食文化に関する話や豆まきなども楽しみ、参加者は達成感いっぱいで笑顔を見せていた。

ギリさん(46)は「ただ巻き寿司を食べるだけでなく、みんなで作れば、調理する努力、食材への関心と感謝を感じてもらい、親子の交流にもなる。みんな生き生き楽しんでもらえてうれしい」。紀伊地区から妻と子ども2人の家族4人で参加した中本正博さん(39)は「子どもと巻きずしを作るのは初めて。なかなか家族で一緒にする機会はないので、楽しんでできました」と話していた。

完成した長巻きずしを持ち上げる参加者

完成した長巻きずしを持ち上げる参加者