たま駅長の誕生日 ハイブリッドバイク寄贈

和歌山電鐵貴志川線のたま名誉永久駅長の20回目の誕生日イベントが4月29日、和歌山県紀の川市の貴志駅で開かれ、多くのファンが集まった。平成最後の誕生日に合わせたプレゼントとして、glafit(グラフィット)㈱(和歌山市南大工町、鳴海禎造社長)から、電動とペダルの両方で走行できるハイブリッドバイク1台の寄贈も行われた。

2015年に天国に旅立ったたまの後を受け、「たまⅡ世駅長」を務めるニタマ、伊太祈曽駅長のよんたまも出席。ニタマを抱いて登場した和歌山電鐵の小嶋光信社長は「亡くなってからも(たまの)人気はうなぎ上りで素晴らしい活躍をしてくれている」と話し、「ニタマとよんたまを厳しくしつけ、次の時代を託す部下も育ててくれた」と感謝した。

集まったファンからハッピーバースデーの歌声が聞こえる中、小嶋社長がバースデーケーキのろうそくを吹き消し、たまを祭っている駅構内の「たま神社」に参拝。ニタマとよんたまの成長の様子などを報告した。

グラフィットがプレゼントしたのは、ニタマのエンブレムを取り付けた特別デザインのハイブリッドバイク。寄贈式では、小嶋社長がバイクの速度や重さなどを質問し、鳴海社長が詳しく説明した。

地元貴志川町の大橋成樹さん(31)はたまについて「かわいくて愛嬌(あいきょう)があり、アイドル性がどんどん増していった」と振り返り、「ハイブリッドバイクは釣りや近くのスーパーへ行く時によく使っています。車にも積めるのでとても便利です」と話していた。

また、和歌山電鐵広報でたま名誉永久駅長マネージャーの山木慶子さんが、たまやニタマを撮影した写真を展示している「平成の地方鉄道を救ったたま駅長秘蔵写真展」も、貴志駅構内で12日まで開かれている。

グラフィットは今月1日から6月30日までの2カ月間、テストマーケティングとして、ハイブリッドバイクのレンタルサービスを伊太祈曽駅で実施中。鳴海社長は「貴志駅から紀美野の方まで行って帰ってくることもできる。観光の範囲が広がると思います」と話し、利用を呼び掛けた。

貸出時間は午前9時~午後5時。5台を配置し、料金は1回1台2000円。原付一種の運転免許が必要で、伊太祈曽駅で申し込む。

問い合わせはグラフィット(℡050・3852・1236)。

ハイブリッドバイクについて説明する鳴海社長㊧

ハイブリッドバイクについて説明する鳴海社長㊧