新高卒者の求人確保 県など経済団体へ要請
県や和歌山労働局は9日、和歌山県内の経済5団体に対して新規高校卒業予定者の求人確保を要請した。
和歌山市内のホテルでは、県教育委員会の宮﨑泉教育長が各経済団体の幹部を前に、「全国的に新規高校等卒業者に対する求人意欲が高まっており、若い人材の確保を巡る地域間競争が一段と厳しいものになることが予想される。これまでの先例や慣例にとらわれることなく、魅力ある求人を早期に提出し一人でも多くの人を採用していただきたい」と呼び掛け、幹部一人ひとりに要請文を手渡した。
県商工観光労働部の稲本英介部長は県内での就職促進に力を入れていることを説明。「県内は人口が1年に約1万人減っており、危機的な状況。新規高卒者の県内企業就職率を現在の約75%から90%に伸ばしたい」と訴えた。
要請文を受け取った和歌哲也県商工会議所連合会常任幹事は「県内には小さいくてもきらりと光る会社も多いが、採用を専属で担当する部署や人がいる会社は多くない。生徒の皆さんにどうしたら会社の魅力が届くか教えてほしい」と応じた。永井慶一県経営者協会専務理事は県教委が一部の高校に派遣している就職指導員について「熱心な人も多く、高校の先生も忙しい中、役割はとても大きいと思う。できれば県内全校に配置していただき、指導員の皆さんと企業の意見交換会もできたらと思う」と要望した。
来年春の高校卒業予定者に対する求人の受け付けは6月1日に始まり、7月1日からは学校への求人提示が始まる。