難病のリハビリに 県内初ボクシング研修
体が動かしづらくなるパーキンソン病の症状改善を促す「ロックステディボクシング(RSB)」の研修会とデモンストレーションが、16日に和歌山県和歌山市鳴神のフジボクシングジムで行われる。県内初開催に向け、理学療法士でボクシングトレーナーの龍神正導さん(46)は「患者さんが笑顔で楽しく、元気になってもらえる場をつくりたい」と話している。
パーキンソン病は脳の伝達物質の減少により、手足の震えや関節が動きにくくなるなどの症状がある難病。根本的な治療法がなく、薬や運動で症状を抑える。国内の患者数は約15万人とされている。
RSBは2006年にニューヨークで生まれたボクシングフィットネス。心拍数が上がることで神経系が刺激され、病気の進行の抑制が期待できる。世界12カ国に広まっており、日本では神戸と大阪で行われている。プログラムは症状の進行や年齢に関係なく取り組め、1回90分ほどでミットやサンドバッグを打つ他、ストレッチ、持久力、体幹などを鍛えるボクシング以外のトレーニングも行う。
龍神さんによると、パーキンソン病患者は体が動かせるのにゆっくりとしか動けないという症状からスポーツジムに通えなかったり、年齢層も幅広いため、デイサービスになじめなかったりする人も多いという。また、日本では不治の病、寝たきりになるといったイメージも強いが、明るくリハビリし、病気になってもできることがあることを知ってもらいたいという。
研修会は午後1時半から。パーキンソン病の解説とRSB体験を行う。講師は神戸でRSBを指導する坂井美穂さんと津野明美さん。申し込み、問い合わせはリハビリテーションセンターりゅうじん(℡073・497・5505)。