エコな水素社会推進 県内初のステーション
燃料電池自動車(FCV)の燃料となる水素を自動車に充填する和歌山県内初の施設「イワタニ水素ステーション和歌山太田」が和歌山市太田で7月から営業を開始するのを前に、開設記念式典が18日、建設中の同所で行われ、水素ステーションを展開する岩谷産業㈱の牧野明次会長や世耕弘成経済産業大臣、仁坂吉伸知事らがテープカットをして開設を祝った。
水素はエネルギーとして使用する際に二酸化炭素を排出せず、貯蔵や運搬も容易なことから、県は水素エネルギーの普及を目指している。「イワタニ水素ステーション和歌山太田」は、敷地面積約990平方㍍で、1時間当たりFCV6台を満タンに充填することが可能。同社の水素ステーションとしては国内で27カ所目となる。
世耕経産相は「本当に素晴らしい。和歌山の水素時代の幕開けになる。経産省も水素ステーションを設置するコストの軽減に向け一生懸命取り組んでいる」とあいさつ。牧野会長は「水素は無尽蔵かつクリーンなエネルギーで大きな可能性がある。世界に先駆けて水素社会の実現を目指していく」と強調し、仁坂知事は「胸がわくわくする話だ。開設していただき本当にありがたい。できるだけ早く黒字化してほしい」と感謝した。
テープカットを行った後、牧野会長と世耕経産相、仁坂知事がデモンストレーションとして、FCVに水素を入れるポーズを見せた。
この日は同市のホテルグランヴィア和歌山で、同社主催の水素エネルギーに関するフォーラムも開かれ、日本水素ステーションネットワーク合同会社の菅原英喜社長や経産省の江澤正名新エネルギーシステム課長が講演し、水素エネルギー普及に向けた取り組みの現状などを紹介した。