受動喫煙なくすには たばこ問題考える講演
31日の「世界禁煙デー」を前、たばこによる健康への問題を考えるフォーラムが26日、和歌山県和歌山市西浜の県立和歌山工業高校多目的ホールで開かれた。産業医科大学産業生態科学研究所の大和浩教授が「もっと知ろう!タバコ」の演題で講演し、受動喫煙や加熱式たばこについて知識を深めた。たばこ問題を考える会・和歌山(中川利彦事務局長)が主催。
大和教授は昨年7月に成立した改正健康増進法について、「なくそう!望まない受動喫煙」を掲げ子どもや患者の受動喫煙対策や施設ごとの禁煙措置など基本的考え方を紹介。改正法では事務所やホテル、飲食店や鉄道といった施設内の原則禁煙、屋内での喫煙には喫煙専用室の設置が必要になるなど取り組みがルール化されたと説明した。
実際に全面禁煙になった神戸市役所を取り上げ、近所のコンビニの灰皿に喫煙者が集まっている状況を説明し、敷地や施設内の禁煙だけでなく、周辺道路も一緒に禁煙することで効果があるとした。そして今後の再改正では、飲食店や国会議事堂などでも全面禁煙を目指したいと述べた。
また、利用者が増加している加熱式たばこの問題も取り上げた。国内で大きなシェアを占める3種類の加熱式たばこの臭いの強さや、ニコチンを吸うためのエアロゾルの濃度を比較。紙巻たばこと比べてニコチンの量は変わらないことや特に有害な化学物質が減少しても他の化学物質が増えていること、水分量が多く腐りやすいことを紹介し、「加熱式たばこの正しい知識を教えていかなくてはならない」と訴えた。