味わいの大阪・新世界 川口さん初の写真展

 和歌山県和歌山市の川口理一郎さん(87)の初写真展「大阪ぶらり」が9日まで、同市十一番丁のギャラリーTENで開かれている。

 川口さんは住友金属和歌山製鉄所(現・日本製鉄和歌山製鉄所)に勤め、定年退職前からカメラを趣味にしてきた。現在はワカヤマフォトクラブに所属し、昨年まで会長を務めた。県展招待作家、東京写真研究会同人(審査員)。

 今展では、コンパクトカメラで大阪の繁華街・新世界や中崎町を歩いて写したモノクロのスナップ17点を展示している。

 この3年ほどの間に何度か足を運んで撮影。作品は古くからの芝居小屋、個性的な店の看板や洋品店の陳列、将棋クラブに集う人々、そびえる高層ビルと古い建物など、少しずつ移ろいゆくまちの姿を写し撮っている。

 中でも一番のお気に入りは、新世界で出会った新郎新婦のユニークなショット。紋付袴、色打掛姿で串カツ店の行列に笑顔で加わるほほ笑ましい姿を写した一枚で「声を掛けて記念撮影風に撮らせてもらった後、ふと見ると行列に並んでいたのでびっくりでした」と振り返る。「こんなことは滅多にない」とシャッターを切ったという。

 「このかいわいは生活感があり、人間的な味わいのある所。『これぞ大阪』という雰囲気が皆さんに伝わればうれしいですね」と笑顔で話している。

 午前11時から午後6時(最終日は3時)まで。問い合わせは同所(℡073・432・5600)。

下町の雰囲気が伝わる作品が並ぶ会場で川口さん㊨

下町の雰囲気が伝わる作品が並ぶ会場で川口さん㊨