新しい梅酒の楽しみ方 カクテルの定義と語源
前号では、世界一の梅酒まつりとして「異なる梅酒の最多展示数」のギネス世界記録に認定された、大阪天満宮の催しを取り上げた。境内に並んだテントには行き違うのが困難なほどの参拝者でごった返し、なかでも梅酒カクテルのコーナーが最も人気で、午後の早い時間帯で完売となる状況。昨今、注目を浴びる梅酒カクテルについて、カクテルが生まれた背景から紹介したい。
カクテルとは、ミクスト・ドリンク(Mixed Drink)といわれ、氷や器具を使い飲料を冷やしながら他の酒と混合、もしくは、温かくした飲料に他の酒を混合するなどして作られたものをさす。
カクテルの名が記された最古の記録は1806年。アメリカニューヨーク州で発行された新聞で、選挙に出馬する者が「Cock tail」を飲み選挙戦を戦っているという記事が書かれ、その名が広まったとされる。
ではその語源は何か。諸説あるが、雄鶏の尻尾をさすスペイン語であるといわれる。18世紀の初頭、メキシコの港町のとある酒場で、カウンターの少年が、皮を剥いだきれいな木の枝をマドラーのように使い、ミクスト・ドリンクを作っていた。訪れていたイギリス船の船員が「それ(その飲み物)は何だ」と尋ねたが、少年は木の枝の名を尋ねられたと勘違いし「コーラ・デ・ガジョ(スペイン語で雄鶏の尻尾)」と答えたという。
英語に訳すと、テール・オブ・コック(Tail of cock)。外国船の船員の間でその名が広まり、やがてCocktailの名に変化。その名はお酒の新しい飲み方として海を通じて世界各地に伝わったとされる。
異なる飲料(お酒)を混ぜ合わせたものがカクテルの定義であるが、梅酒カクテルとはどのようなものか。その種類や魅力について紹介していきたい。
(次田尚弘/大阪市)