管弦楽と歌う民謡 第九合唱団の練習大詰め
県第九合唱団(山本光子団長)がオーケストラと共に歌い上げる「夏の大合唱2019」が15日に迫った。公演本番を指揮する藤岡幸夫さんを迎えた大詰めの練習会が5日、和歌山市小人町のあいあいセンターで開かれ、約80人の団員は藤岡さんの指導で、5カ月にわたり練習を重ねてきた歌声に磨きをかけた。
毎年7月に開いているコンサートで、今回は10月に初開催の「きのくに音楽祭」の協賛企画。オーケストラと合唱による名曲として知られる、岩河三郎「富山に伝わる三つの民謡」、ジョン・ラター「フォー・ザ・ビューティー・オブ・ジ・アース」を演奏し、いずれもプロオーケストラとの共演は和歌山県内初という。
国内外で活躍する藤岡さんは、公演の管弦楽を担当する関西フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務めている。同合唱団との共演は「夏の大合唱」が19年連続、冬の公演を含めると22回目。20年以上見てきて「昔よりクオリティーが上がっている。よく頑張っている」と合唱団の成長を喜び、公演については「純粋に『いい曲だな』と楽しんでもらえたらうれしい」と話した。
練習では、「富山に伝わる三つの民謡」に登場する「こきりこ」「むぎや」「越中おわら」について、言葉のリズムに合った強弱のつけ方や、聴衆に伝わるよう歌詞をはっきりと発音することなどを、ユーモアを交えて熱心に指導。「もっと音楽を毛穴で感じて!」などと呼び掛けた。
山本団長は「日本の素晴らしい民謡をオーケストラと共に歌うことができるのはうれしい。『こきりこ』のようななじみのある曲もあり、和歌山でぜひ聴いてもらいたい」と話していた。
公演は市民会館で午後3時開演。合唱は第2部で、第1部は和歌山市出身のピアニスト・中谷政文さんがソロを務めるラフマニノフのピアノ協奏曲第3番、グリンカの歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲が演奏される。チケットは同館などで取り扱っている。問い合わせは和歌山音楽愛好会フォルテ(℡073・422・4225)。