直川・府中は事業撤退 メガソーラー反対集会
和歌山県和歌山市北部の和泉山脈で計画されている複数の大規模太陽光発電施設(メガソーラー)に反対する住民による初の合同集会が18日、直川の北コミュニティセンターで開かれ、約270人が結束して活動を進めていくことを確認した。集会の中では、計画の中でも最大規模だった「直川・府中太陽光発電」(132・36㌶)を進めていたTKMデベロップメント㈱(東京都)が、9日付で事業の廃止を県に通知したことが報告された。
現在進んでいる建設計画は、旭メガソーラー和歌山西庄発電(24・96㌶)、和歌山平井太陽光発電所(65・94㌶)、パワープラント和歌山(有功・直川、72・49㌶)。集会は、各計画地で反対運動をしている住民らによる「和泉山脈をメガソーラーから守る住民のネットワーク」が主催した。
各地域の代表4人が反対運動の現状を説明。反対を表明する署名や意見書の提出などが進められていること、計画を知らない住民も多数おり、住民の間に認識の差があることなどが報告された。
住民の要請で計画地を調査した専門家からは、計画に伴い森林を伐採し、盛り土などを行うことにより、地盤の弱体化や保水力の低下が起こり、土砂災害や水害の危険性が高まるとの指摘があった。
和泉山系の巨大太陽光発電を考える会代表世話人の廣瀬正紀さんは、各地の反対運動の力を集める上で、初の合同集会の意義は大きいとし、「今後は連携を密にして活動していきたい」と参加者に呼び掛けた。
決議では、「地球環境の保全に役立てるべき再生可能エネルギーの活用が、地域の環境破壊につながるのでは本末転倒」とし、反対の声を広げ、県や市に許認可をしないよう訴えていくことなどを盛り込んだ。