飲酒運転の根絶へ 条例罰則適用前に推進会議
4月1日に和歌山県が施行した飲酒運転根絶に関する条例のうち、10月1日から罰則規定が施行されるのを前に、一層の周知を図る会議が3日、和歌山市の県民文化会館で開かれた。県警や民間団体、運輸、飲食、小売などの18機関が参加し、取り組みの強化を誓った。
「和歌山県飲酒運転根絶対策推進会議」として、県民生活課の同事務局(生駒享局長)が主催。
新たな規定では、飲酒運転で検挙された者が5年以内に再度検挙された場合、アルコール依存症に関する診断を受けるよう促す。これに従わなかった場合は、5万円以下の罰則が科される。
また飲食店にも飲酒運転防止啓発の取り組みを求める。
会議の冒頭で生駒局長は2017年の県内交通死亡事故に占める飲酒運転の割合が全国ワースト1位だったことにふれ「街頭啓発やフォーラム開催などの取り組みで18年は7・7%と減少したが全国平均の6・4%には及ばなかった。8月下旬には飲酒による死亡事故も発生した」と予断を許さない状況を話した。
県警察本部交通企画課の佐竹伸一交通事故分析官は、全国の飲酒死亡事故の推移と県内の飲酒運転による人身事故の推移を示して「痛ましい事故を契機に罰則が強化され約20年前よりも、件数は激減したが、近年は下げ止まりで推移している」とし、「規範意識の低さがいまだ解消されていない」と指摘した。
飲酒運転撲滅に関する罰則付きの条例は、福岡県に続き全国で2例目。