上名手の歩み後世に 谷脇さん郷土史刊行

 和歌山県紀の川市那賀地区公民館上名手分館長の谷脇誠さん(70)が地元の歴史や文化、公民館活動の取り組みなどを冊子にまとめた「上名手公民館の歩み―平成22~30年度―」を発刊した。谷脇さんは「上名手の良さを再認識してもらい、伝統を守りながら後世に伝えていきたい」と話している。

 同書は2012年に谷脇さんが中心となって出版した「上名手の礎(同公民館発行)」の第2弾。公民館活動の記録を通して郷土への関心を高め、地元に誇りを持ってもらおうとことしの4月に制作をスタートした。

 A4判の267㌻で同地域の位置や歴史、施設、人口、公民館の変遷や活動内容などを記している。

 同市出身で江戸時代の外科医、華岡青洲(1760~1835)の墓誌銘の碑文について独自で注釈と意味を加え、地元の内科医、林南渓(1755~1855)の墓碣(ぼけつ)銘の意味と注釈も入れ、新たな視点から2人の業績の一端を記している。 

 谷脇さんは「同じ時代と地域にこの2人がいたというのはすごいこと。地元への関心を高めて誇りを持って生きたい」と話している。

 このほど、同市江川中の上名手小学校体育館で出版報告会を開き、約250人に同書について説明した。

 同市図書館で閲覧可能。また、希望者には数に限りがあるが送料負担で進呈する。問い合わせは谷脇さん(℡0736・75・3144)。

「上名手公民館の歩み」を手に谷脇さん