冷凍ミカン風商品発売 ぱん工房かたつむり
社会福祉法人一峰会(山添高道理事長)が運営する和歌山県海南市重根の就労継続支援B型事業所・ぱん工房かたつむり(笠松彩所長)は21日、県産のミカンをふんだんに使った新商品「冷凍ミカン風みかんパンだ」の販売を開始した。ミカン風味のパンを冷凍ミカンのネットに入れた愛らしい商品。和歌山土産としても喜ばれそうだ。
同事業所は地元の工房で作る「ありそうでなかった和歌山らしいみかんパン」をコンセプトに、味だけでなく見た目にもこだわった商品作りを4月にスタート。5月にイオン和歌山で最初の「みかんパン」を試験販売。その後県産ミカンのジャムやジュース、パウダーなどを使用して本来のミカンの味を実現するまで何度も試作の改良を重ね、みかんの形に成型したパンが完成し、ようやく商品化にこぎ着けた。また、みかんパンを赤いネットに入れることにより一見してミカンと認識できるパッケージングで、地元デザイナーによる「うわさのみかんパンダ君」のキャラクターデザインを採用して親しみのある商品となっている。
8月には同事業所近くの「とれたて広場」で改良したみかんパンの試験販売を行った。売れ行きは上々で、納品した商品は全て完売。赤いみかんネットに入った商品を手に取り「見た目がかわいい」と、特に若い女性たちに好評だった。
自然解凍させてから食べるので、本物の冷凍ミカンを食べる時と同じで、解凍した常温状態の生地はしっとりした食感で、ミカンの味が口いっぱいに広がる。またパンを焼くと香ばしくなり、違った食感が楽しめる。
職員の宮﨑唯さんは「パンが1個でも多く売れることで、施設利用者に仕事のやりがいや喜びを感じてもらい、結果として工賃が上がるようになれば」と話し、坂本真巳さんも「『かたつむりといえば、みかんパン』と言われるよう新しい顔になってほしい」と期待を込めている。
これまで同事業所は移動販売のみの営業展開だったが、おかし工房桜和(さわ)が製造する「紀州五色バウム」の営業を手掛けている同法人の山添利也さんが販路拡大を行い、2店舗での販売が実現した。山添さんは「地元の方がパンを食べて和歌山らしさを感じてもらえるように、また県外の方が和歌山に来た時に和歌山の土産物として購入してもらえれば」と話している。
販売場所は、紀ノ川サービスエリア上り(和歌山市北野)と南紀白浜とれとれ市場(西牟婁郡白浜町堅田)の県内2店舗で、冷凍のみかんパンと解凍されたみかんパンの販売が行われる。ともに税別価格で3個入り550円、5個入り800円。問い合わせは、ぱん工房かたつむり(℡073・485・3320)。