飲酒運転の根絶へ 10月から県の条例が施行
10月から和歌山県の「飲酒運転の根絶に関する条例」が施行された。2017年の県内交通死亡事故における飲酒運転の割合が全国ワーストだったことから制定され、飲酒運転撲滅に関する罰則付きの条例は全国で2例目。県警では根絶に向けてドライバーと酒を提供する飲食店、販売店へ意識向上と飲酒運転をしない環境づくりを呼び掛けている。
飲酒運転の事故件数は2000年の400件をピークに減少し、昨年は33件にまで減っているがこの数年は件数が横ばいに。昨年は死者2人、けが人42人と飲酒運転事故の根絶に至らないのが現状。
条例ではことし4月に県の普及啓発、飲食店での帰宅方法の確認と広告掲示、事業者が防止措置を行う取り組みを規定。10月から、違反者は専門医師によるアルコール依存症に関する診断を受けるよう努める必要があり、5年以内に再び違反した者は期限を定めて診断を受けるよう命じられる。命令に従わない場合は5万円以下の過料の罰則がある。
また違反者が飲酒した飲食店には、公安委員会から利用客が違反者にならないよう措置の励行を呼び掛ける通知がされ、規定期間内に違反者を出し、必要な措置がされていないと認められた場合は公安委員会から指示が行われる。正当な理由なく指示に従わない、立ち入り調査に応じない場合は指示書を客の見やすい場所に掲示し、内容を守るよう命じられるが、従わなかった場合には5万円以下の過料の罰則がある。
飲酒運転を繰り返す違反者の中には、毎日たくさん酒を飲む習慣がある他、自分で飲酒をコントロールできない依存症に陥っている人もいる。アルコール依存症については、判断の目安になる飲酒習慣スクリーニングテスト(AUDIT)を県警ホームページで公開しており、スマートフォンでテストが行える。飲食店向けの利用客の飲酒運転を防止するマニュアルや啓発チラシも配信している。
県警では日没が早まり、忘年会シーズンで酒を飲む機会が増える11、12月に向けて取り締まりを強化していくという。