過労死ライン6人に1人 県教職員組合調査

 和歌山県教職員組合は9日、県内の教職員の勤務実態調査の結果を発表した。6人に1人が月80時間以上の時間外労働をしている「過労死ライン」を超えるなど、教職員の多忙化が浮き彫りとなった。同組合の武田正利執行委員長と川口貴生書記長は、多忙化解決のために教職員の増加や業務の削減を県教育委員会に求めるとともに、標準定数法の改善を求める署名活動を行っていくとしている。

 調査は県内の小中学校、特別支援学校の約9000人を対象に6・7月に実施。正規教職員、非常勤講師などを含め1620人が回答した。

 時間外勤務時間の平均は、週21時間以上の教職員が266人(16・7%)、26時間以上が141人(8・8%)で、「過労死ライン」を6人に1人が超える結果となった。特に放課後にクラブ活動がある中学校で多く、4人に1人となる108人(24・9%)が過労死ラインを超えていた。

 1カ月あたりの休日出勤日数は0日が42・4%、1~2日が26・7%、3~4日が20・7%で、半数以上が月に1日以上休日出勤していることが分かった。校種別では中学校で7~8日の休日出勤数が6・0%あり、最も多かった。

 働き方改革により平日退勤を促されるようになった結果、休日出勤して仕事をしているとの意見があることも分かった。

 「教職員の多忙は子どもたちに悪影響を与えているか」との質問では「与えている」と答えた割合が85・1%に達した。回答した教職員からは「ゆっくり授業の準備をしたり、子どもの話をしたりする時間がない」「事務処理の多さが多忙化を引き起こしている。生徒とゆっくり向き合える時間を増やしてほしい」などと影響を訴える声があった。

 同組合は、結果をもとに県教委に業務の削減と教職員採用数拡大を求めるとともに、具体的なアンケートの数字を通して保護者や地域に向けても教職員の労働環境を知ってもらいたいとしている。

調査結果を報告する武田執行委員長㊧と川口書記長