外国人留学生の採用へ 和大で初の企業交流会
少子高齢化による人手不足が深刻化する中、和歌山県内でも外国人留学生の採用につなげようとする動きがある。和歌山大学の外国人留学生と県内企業の人事担当者が交流する「企業・外国人留学生合同ワークショップ」が5日、和歌山市栄谷の和歌山大学で開かれた。ジェトロ和歌山が主催した。大学や大学院で高等教育を受けた外国籍人材の採用に関心を示す企業が増加。県内の外国人留学生と地元企業が出会える場をつくろうと初めて開かれた。
出入国在留管理庁の発表によると、2018年に日本で就職した外国人留学生は2万5942人で過去最多。8年連続の増加で、今後も増加するとみられる。
この日は県内企業5社の社員8人と同大の外国人留学生15人が参加。留学生の出身国は中国、インドネシアやウズベキスタン、マレーシア、タジキスタンの5カ国だった。
人事担当者と留学生は3グループに分かれて意見交換。留学生は「どんな人材を求めているのか」などと質問。人事担当者は「海外で営業活動をしてくれる人」「製造の現場も人が減っているので、ものづくりや機械のメンテナンスを担ってくれる人」などと答えていた。
日本で働くことへの不安を感じる留学生もいる。ある留学生は「すぐに帰国してしまうと思われるのでは」と漏らし、別の留学生は「化粧品メーカーで働いている日本人の友人から有給休暇を取っていないと聞いて驚いた。海外では取るのが普通」と話す。「有休はどれくらい取れるのか。1カ月の平均残業時間も知りたい」と積極的に情報を収集していた。
ある人事担当者は「日本人でも入ってすぐに辞める人はいるので日本人か外国人かは関係ない。採用面接では会社の雰囲気に合うかどうかを見ている」と話す。有休について別の人事担当者は「昔は取りづらい雰囲気があったが徐々に変わってきている。週に一日はノー残業デーになっていて仕事が残っていても定時に帰っている」と自社の取り組みを紹介していた。
すでに外国籍人材が社内で活躍中の企業による事例紹介もあり、㈱島精機製作所の大森雄介さんは「イノベーションを起こす社内風土の実現には多様性が重要。中国出身の人を中心に年間数人を採用している」と留学生にアピールした。