城北小の木造校舎解体へ 和歌山市が予算案

 伏虎中学校区の小中一貫校設置に向け和歌山市は、新設校の建設予定地とされている市立城北小学校にある木造校舎(2階建、延床面積835平方㍍)を解体する。新年度予算案に工事費と、その後に実施する鷺ノ森遺跡発掘の費用として7907万円を計上している。

 教育施設課によると、木造校舎は昭和30~35年の間、4期にわたって建設された。同小によると、平成16、17年ごろまでは、1階に言語障害児のための教室があったというが、現在は使っておらず、物置として使用しているという。

 小中一貫校設置に向けて話し合いを進めている「伏虎中学校区学校適正規模化推進協議会」は、同小と城北公園に新設校設置を決めており、今回の解体はそれに向けた動きといえる。同課は「なるべく早く行いたい」と話し、夏休み終了までには解体を終える方針だという。

 しかし、地域説明会では同地への新設校設置に反対する意見もある。大橋建一市長は「地域の理解を得ることは大事だが、(伏虎中学校区の)今の教育環境がこのままでいいのかと思う」との見解を示しており、「いずれにしろ、解体と発掘調査は行わなければならないものだ」と話している。

 建設予定地の地下にある同遺跡は、鷺森別院の周辺に広がる遺跡で、「弥生時代から江戸時代までの遺物が出土する同遺跡」と「中世末期に浄土真宗の道場として開かれた鷺森(雑賀)御坊に由来する本願寺跡」の2種類が複合している。本格的な発掘調査をするため、当初予定されていた平成28年4月の開校は遅れるとみられている。