西汀丁ワースト1位 19年交通事故多発交差点

和歌山県警交通企画課は2019年の交通事故多発交差点ランキングを発表した。人身、物件を合わせた事故件数で、ワースト1位は西汀丁(和歌山市)の44件、同市の田中町(36件)、延時(35件)が続いた。岩出市の備前は7位で、18年のワースト1位を脱却。上位12カ所の交差点で死亡事故はなかった。

1位の西汀丁での事故は前年比12件増で、うち人身は4件。北進、東進の車による事故が多く、特に紀ノ川大橋や県庁前交差点方面での追突、車線変更に伴う事故が目立った。

2位の田中町は、太田交差点方面へ往来する車の事故が大半を占めた。追突事故が14件と最も多く、混雑する時間帯に事故が起こりやすくなっている。

3位の延時は、狐島交差点に向かう道路周辺での事故が多い結果となった。上位2カ所と比べてバイクの転倒などの単独事故が多かった。同交差点では昨年から信号機の表示パターンが変更され、今後の事故抑止の効果が期待される。

3位以下を見ると、4位は花山、大谷(34件)、6位は県庁前(33件)、7位は備前(28件)、8位は北新橋西詰(26件)、9位は和田、花山西、紀三井寺、梅原・梅原北が24件で並び、備前を除き全て和歌山市内だった。

同課は、車で交差点を通過する際には左右と後方の安全確認、歩行者の確認をし、信号を守り、無理な横断をしないこと、カーナビやスマートフォンのながら運転をしないことを呼び掛けている。

ワースト1位返上 備前は対策が奏功

備前交差点は18年にワースト1位(36件)だったが、19年は28件に減少。9位までのランキングの中で、前年より事故件数が減少した唯一の交差点だった。

岩出署によると、28件のうち、追突が9件、路外施設への流出入時や左折時の自動車と自転車の衝突が9件、その他が10件だった。

同署は昨年4月、国土交通省など道路管理者に働き掛け、国道24号の那賀高校前交差点から中黒交差点までの約4㌔を「追突警戒エリア」に指定。備前を含む7カ所の交差点に青いラインと「追突警戒エリア」の文字を記し、事故の減少に努めてきた。

他にも通勤通学の時間帯などに警察官を配置し、警戒活動の強化や道路交通情報を提供する光ビーコンを活用したカーナビの音声による注意喚起、また街頭啓発活動などの安全対策を講じてきた。

同署は「備前交差点は依然として交通事故が多発している現状があり、通行する県民などへの注意喚起をはじめ、各種対策を引き続き実施していきたい」としている。

追突事故が多い西汀丁交差点