山東・四川からマスク届く 県と相互支援の輪
和歌山県と友好提携している中国・山東省と、パンダを通じて交流が深まっている四川省から、新型コロナウイルス感染症対策の支援物資として、17日までに計3万枚のマスクが県に寄贈された。県の対策本部から、不足している医療機関などに配布する。1月には県から両省に支援物資を贈っており、相互応援の動きが広がっている。
県国際課によると、中国での新型肺炎の感染拡大が深刻だった1月31日、県は両省で不足していた医療用手袋を5万枚ずつ手配し、両省に贈った。
さらに2月中旬には、中国と交流関係がある県や和歌山市、紀の川市などの自治体、星林高校や和歌山大学などの学校、県日中友好協会、紀三井寺、アドベンチャーワールドなどの団体と協力し、約2分間の応援メッセージ動画を送付。現地の報道やSNSで拡散され、テレビ視聴者は約710万人、ニュースの再生回数は59万回に達し、「和歌山県の温かい気持ちを感じました。共に頑張りましょう」「状況が落ち着けば必ず和歌山に遊びに行きます」などの喜びのコメントが多数寄せられたという。
今回のマスク寄贈は、両省からお礼として県に申し出があった。四川省からは「守望相助、風雨同舟(互いに見守り助け合い、共に困難を乗り越えよう)」のメッセージを添えて1万枚、山東省からは「青山一道、風雨同舟(同じ山を見る近隣同士、共に困難を乗り越えよう)」の言葉とともに2万枚が届いた。山東省は、さらに2万枚の追加提供を調整している。
県と山東省は友好都市関係を締結して35周年を迎えた昨年、両県省のトップが相互訪問し、関係強化を確認。四川省には昨年10月、仁坂吉伸知事が訪問し、省長から友好都市関係の締結を打診されており、来年度の締結を目指し、パンダを通じた交流の促進や多分野への展開を進めていく。
国際課は「(新型肺炎の影響で)直接の交流はできない状況にあるが、お互いに応援し、気遣いながら、交流の絆は深まっている」と話している。