国内外の各方面から心温まる支援物資 奮闘する医療・福祉現場に届く

2月13日の夕刻、仁坂吉伸知事よりお電話があり、和歌山県内で新型コロナウイルス感染者の陽性者が確認されたため、これから記者会見で発表する旨のご連絡を頂戴しました。直ちに、私は仁坂知事に対し「できることは何でもするので、夜中でも良いのでいつでもご連絡ください」と申し上げました。翌朝、知事からこの先、感染拡大した場合、医療機関での物資が不足することが予想される。とりわけ、医療用のマスク、ゴーグル、フェイスシールド、ガウン、手袋等が不足した場合、病院やクリニックで医療に従事していただく関係者が危険にさらされるとのお話しをいただきました。
私は、即座に東京の関係者に広く物資協力の呼びかけを行ったところ、ご縁のある医療関係者や大学病院から申し出をいただき、いち早く和歌山県を通じて、県内の医療機関や湯浅町・有田川町・広川町にお届けをさせていただきました。各行政機関を通じて、医療現場以外にも福祉施設や高齢者の方、妊婦の方に配布いただきました。
また、一連の支援物資協力において、中国からの協力に対し現場から多くの感謝の声が寄せられています。ご承知の通り、今回のウイルス発生直後は中国の医療現場で深刻な物資不足が発生しました。
中でも、医療用防護服が不足した際、友人であるアリババグループ創設者であるジャック・マー氏がわざわざ東京まで私を訪ねて来られ、防護服の協力要請をいただきました。私は、東京都の小池知事と相談し東京都には十分な備蓄があることを確認した上で、12万4000着の防護服を中国全土の医療機関に送付させていただきました。
また、和歌山県も交流のある山東省・四川省に医療用手袋等を送付し、他にも、北海道、秋田県、新潟県、京都府、滋賀県、鳥取県、福岡県などの全国の自治体も中国にある友好都市に支援物資を寄付する行動が相次ぎました。
これらの日本からの支援のニュースは中国国営放送やSNSを通じ中国全土に伝わり、一般市民からは、「こういう行動こそ日本人のすばらしい素質を表している!中国は日本を見習うべき」と、日本に対して多くの感謝と尊敬のメッセージが発信されています。
中国政府も外交部記者会見で「日本の支援に対し心から感謝して心に深く刻む」とコメントしました。
一方、その後、時間が経つに従い、日本で感染が拡大するとジャック・マー氏から100万枚のマスクの提供を始め、中国政府からも迅速な、お返しの支援が寄せられています。
21日、和歌山県庁に中国駐大阪総領事館の何振良総領事、大連金普新区日本駐在事務所の王新首席代表がお越しになり、和歌山県に対し段ボール箱にして400箱の大量の医療物資をお届けいただき、仁坂知事・岸本健県議会議長に対し贈呈いただきました。これらの物資も、医療・福祉現場で必死の努力を続けていただいている皆さまに届くことになっています。
もはや、日本だけではこの世界的な感染症を克服することはできません。こういう時だからこそ、国際社会の協力が不可欠です。
戦いはまだまだ続きますが、今後の国内経済対策も含め、全力で県民の皆さまのために力を尽くすことを誓います。