3月の県内倒産6件 コロナ影響計り知れず

東京商工リサーチ和歌山支店がまとめた3月の和歌山県内倒産件数(負債総額1000万円以上)は前年同月比1件減の6件、負債総額は2億2400万円増の5億3300万円で、件数は3月として過去10年間で最少だった。主な倒産には、橋本市高野口町の米穀類他卸業、ことぶき食販㈱(負債額3億1200万円)などがあった。

負債額は、1000万円以上5000万円未満3件、5000万円以上1億円未満1件、1億円以上5億円未満2件。原因は6件とも「販売不振」で、不況型倒産だった。

産業別では、建設業、製造業、卸売業、小売業、情報通信業、サービス業他が各1件。地域別では西牟婁郡が2件、和歌山市、橋本市、御坊市、新宮市で各1件となった。

形態別では、4件が破産、民事再生法と銀行取引停止が各1件で、4カ月連続で私的倒産が発生した。

同支店は、低水準で推移してきた県内の倒産件数が、2019年10月を境に前年を上回る月が多くなり、20年3月までの6カ月間で前年比22件増となっていることから、「潮目が変わり増勢に転じている」と見ている。

さらに、新型コロナウイルス感染拡大の影響が世界の市場を混乱させ、県内の経済も大きな打撃を受けており、一向に収束のめどが立たない状況が続く中、資本力の脆弱(ぜいじゃく)な中小企業に与える影響は計り知れず、倒産に追い込まれる企業が増加する可能性を否定できないとしている。