廃業増加の懸念も 3月は不況型倒産主体
帝国データバンク和歌山支店がまとめた3月の県内の企業倒産件数(負債総額1000万円以上)は前年同月比1件増の8件、負債総額は同7800万円増の5億100万円だった。
負債額は、和歌山県橋本市の米麦卸業、ことぶき食販㈱の3億1200万円が最も大きく、他の7件は1億円未満で小口倒産が中心。主要因は7件が販売不振、1件がその他の経営計画の失敗で、不況型倒産が主体である状態に変わりはない。
地域別では和歌山市3件、海南市、岩出市、橋本市、御坊市、西牟婁郡が各1件。態様別では7件が清算型の破産、再生型の民事再生法が1件だった。
同支店の分析によると、県内景況は昨年9月をピークに悪化が続いており、新型コロナウイルス感染症の影響でホテルや飲食店などのサービス業の稼働が大幅に低下している他、間接的に関わる業者の低迷も目立っている。今後さらにさまざまな業種で悪影響が懸念される。
感染終息の見通しが立たず、経営者のマインドが低下している環境にあって、「以前から深刻化していた後継者問題が一気に顕在化し、廃業を後押しされる業者がさまざまな業種で増える可能性もある」としている。