全世帯にマスク配布 地元企業の寄付で有田市

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、有田市は17日、市内の全1万1740世帯に50枚ずつサージカルマスクを配布すると発表した。市内企業からの寄付を受けて行うもので、望月良男市長は「ウイルスに負けないためには、市民一人ひとりの意識を高めることが大切」と述べ、マスクの活用とともに手洗い、外出自粛などの感染防止対策の徹底を呼び掛けた。

マスクを寄付したのは、手袋や靴下など作業用品のメーカー、㈱ユニワールド(同市千田、江川真史社長)。マスクの品薄が続き、必要な市民が入手できない状況を心配した江川社長が市に申し入れ、市民の感染拡大防止や重症化の予防に役立ててほしいと、取引がある中国の工場から、50枚入り1万1760箱、計58万8000枚のマスクを調達した。

市民の意識を高める呼び掛けの機会にもしようと、市はマスクの箱に「コロナに負けない!みんなの意識が命を守る!!」とのメッセージを大きく入れ、併せて手洗いの大切さなども記した。

各世帯へのマスクの配布には市連合自治会(中本満会長)が協力し、各単位自治会を通じて自治会未加入者を含む全世帯に届ける。17日に市役所に搬入され、来週には順次配布される見通し。

市はこれまで、鳥インフルエンザ発生時に寄付を受け備蓄していたマスク11万5000枚のうち、6万枚を妊婦や呼吸機能に障害のある市民、人工透析を受けている市民らをはじめ、高齢者施設、医療機関などに配布して対応してきた。

17日に市消防本部で記者会見した望月市長は、ユニワールドの寄付に謝意を示し、事態が長期化することも見据え、市がさらにマスクを購入するなどの対応が必要かどうか、検討していくとした。

市民へのメッセージを入れたマスクの箱を手にする望月市長