天守閣や友ヶ島閉鎖 緊急事態宣言で和歌山市
新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言の対象地域が全都道府県に拡大されたことを受け、和歌山県和歌山市は17日、新たに和歌山城天守閣などの施設の閉鎖、市主催行事の延期などを決めた。南海電鉄も、24日に予定していた和歌山市駅の複合施設「キーノ和歌山」のグランドオープンを当面見送ると発表し、隣接する市民図書館新館の全面開館も延期される。
市が新たに閉鎖するのは天守閣と和歌山城公園動物園、友ヶ島の3カ所。いずれも5月6日まで。友ヶ島については、加太との航路を運航している友ヶ島汽船㈱と合意の上で桟橋を使用できなくし、市が休業補償などを行う予定はない。
17日の記者会見で尾花正啓市長は、特定警戒都道府県である京阪神地域から市内への人の流入が増えていることに危機感を示し、「象徴的な場所を閉鎖することで流入を阻止できるのではないか」と述べた。
キーノ和歌山は、緊急事態宣言が拡大されるまでは、商業ゾーン2階の飲食店フロア「キーノ・ザ・フードホール」のみ開業を延期するとし、内覧会も予定していたが、オープンの全面見合わせを余儀なくされた。
ホテル棟の4~12階に入る「カンデオホテルズ南海和歌山」も、30日に予定していた営業開始を当面延期する。
商業ゾーン、ホテルとも開業日は今後の感染の状況を考慮して判断する。
市民図書館新館は、2階のエントランス部分で行っている書籍の貸し出し、返却のみの利用となり、館内には入れない。開館時期の見通しは立っておらず、キーノ和歌山との同日オープンになるかどうかも不透明な状態。
その他の市の施設では、保育所は休業しないが、家庭で保育できる場合などは利用を自粛するよう保護者に要請する。市斎場は入場者の人数制限を行う。
市主催行事では、市民大学と乳幼児健診を延期する。
また、市が16日に明らかにした、大阪府などから市内のパチンコ、ゲームセンター、カラオケなどの遊技施設、大型商業施設などに流入している車両の調査について、2チーム10人の監視チームに交代要員を増員し、特に週末や祝日の調査に力を入れ、感染拡大防止に生かす。
尾花市長は「市民に非常に人気のある施設を閉鎖し、大変ご迷惑をお掛けするが、できるだけ外出を控え、人との接触を控えてほしい。大切な家族の命を守るためにも、皆さんのご協力をお願いしたい」と話した。