各分野で顕著な功績 春の叙勲県内45人
各界の功労者に贈られる春の叙勲の受章者が29日に発令された。県関係では45人(うち女性4人)が受章した。各省庁、県庁での伝達と拝謁は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、中止となった。
内訳は旭日中綬章が1人、旭日小綬章が2人、旭日双光章が14人、瑞宝小綬章が3人、瑞宝双光章が10人、瑞宝単光章が15人となっている。
晴れの受章者は次の皆さん。
【旭日中綬章】有田佳秀(70)元日本弁護士連合会副会長、和歌山市東小二里町
【旭日小綬章】岡田栄治(70)元日本弁護士連合会理事、同市和歌浦南▽山田好雄(80)元和歌山市議、同市吉原
【旭日双光章】石井惣吉(74)(一社)県測量設計業協会会長、和歌山市善明寺▽岩橋正典(71)(一社)全国自動車無線連合会理事、和歌山市和歌浦中▽小宮清(78)元(公財)県体育協会理事、美浜町和田▽坂本健一(71)元(一社)県医師会理事、和歌山市今福▽杉原弘規(77)元新宮市議、同市新宮▽武田全弘(80)元(公社)全国産業資源循環連合会副会長、和歌山市六十谷▽井和(70)(一社)県食品衛生協会副会長、印南町島田▽一松輝夫(70)元日高町議、日高町阿尾▽平井弘子(82)県生活学校連絡協議会会長、和歌山市出島▽前芝雅嗣(71)元県議、串本町串本▽前田治(73)元新宮市議、同市佐野▽守内眞澄(70)元伊都歯科医師会会長、橋本市三石台▽安原俊晴(82)元県衣料縫製品工業組合理事長、和歌山市吉礼▽吉本弘(90)元県造園建設業協会会長、同市吉礼
【瑞宝小綬章】阪口裕之(74)元県農林水産部長、海南市且来▽白原勝文(74)元県危機管理監、かつらぎ町笠田東▽西下博通(77)元公立高校校長、和歌山市西浜
【瑞宝双光章】池本光男(82)元紀美野町消防団団長、同町大角▽梅本廣治(72)元公立小学校長、有田市宮崎町▽岡本徹士(71)元公立中学校長、印南町山口▽小川史乘(70)保護司、和歌山市松江中▽小山智久(72)元公立小学校長、みなべ町筋▽近藤仁(72)元公立中学校長、和歌山市吉礼▽谷中幹夫(70)元田辺市消防団団長、同市上秋津▽西昭(71)元日本郵政公社職員(特定郵便局長)、岩出市吉田▽橋爪静夫(82)大阪府バレーボール協会執行副会長、和歌山市新生町▽松下和生(63)元南海電気鉄道㈱堺東駅駅長、橋本市高野口町向島
【瑞宝単光章】井邊一清(74)元和歌山市消防団副団長、同市井辺▽宇戸菊美(65)元養護老人ホーム「ときわ寮」主任介護支援員、美浜町和田▽加藤智子(78)元民生・児童委員、田辺市目良▽嶋田睦男(73)元有田川町消防団副団長、同町船坂▽清水治(71)元上富田町消防分団長、上富田町下鮎川▽隅田増夫(55)木下建設㈱職長、岩出市山田▽谷口俊彦(78)元田辺市消防団副団長、同市中辺路町栗栖川▽政行(76)元紀の川市消防団副団長、同市粉河▽中西宏彰(73)元かつらぎ町消防団団長、同町志賀▽西本佐代子(56)のぞみ保育園園長、和歌山市善明寺▽濵中芳光(66)元印南町消防団団長、同町印南▽古岡照之(66)元法務教官、岩出市金屋▽松本勉(70)元那智勝浦町消防団分団長、同町市野々▽山田啓造(70)元和歌山市消防団副団長、同市六十谷▽和中輝雄(77)㈱山ノ木代表取締役、同市関戸
産廃への理解深めたい
和歌山県橋本市出身で県立伊都高校卒業後、1960年から99年まで県警察官の刑事として主に従事。同年退職後に行政書士登録をして開業。県産業廃棄物協会(現・県産業資源循環協会)の理事に就任した。2004年からは同会の会長として協会員数の増加や活動への理解普及に尽力。08年に全国産業廃棄物連合会の副会長になった。
「ものすごい大きな石が落ちていて見たことがない現場だった」と振り返るのは11年の紀伊半島豪雨。那智勝浦町に会員を派遣して9カ月間、廃棄物の処理活動を行った。早期の道路の正常化と住民の生活の確保に懸命に努めた。
県や同連合会、厚生労働省などからの表彰も数多い。警察官の経験と行政書士としての実務を生かし、現在も県産業資源循環協会会長して活動する。「産業活動の終焉(しゅうえん)はごみ処理。県民の生活に影響することを頭に置いて活動している」と力を込める。
「受章は協会の代表としてうれしい気持ち。これを機に会員の和が広がり、産業廃棄物への理解が深まれば」と話している。
地域防災に安全第一で
「うれしいが戸惑っている。長年消防団活動をさせてもらって良かった」と受章を喜ぶ。近所の人に頼まれたことから、1981年に和歌山県和歌山市の岡崎消防分団の団員となる。2002年に分団長となり、16年からは市消防団の副団長として昨年まで務めた。
岡崎地区で火災が発生した際には消防団として消火活動に参加。可搬ポンプで中継送水をする他、火災現場周辺の警備を中心に取り組んだ。住民として土地勘を生かして消防車を現場まで誘導することもあった。同地区は大雨になるとしばしば氾濫する和田川が近くにあるため、台風の日にはいつでも出動できるように待機した。
活動では常に人の安全を優先。災害や火災の被害を受けた人はもちろん、現場で働く消防団員がけがをしてはどうしようもない。
有事以外にも平時の広報活動も実施。防火広報を月に2回行い、地域住民にも活動を知ってもらうため、年に1回、分団で放水訓練を実施している。
「妻の協力もあって続けることができた。これからは女性の消防団員も増えれば」と話した。